マイスリー錠(5mg/10mg)
左:5mg 右:10mg どちらも錠剤の色は黄色っぽい感じになります。
2000年に発売されまだジェネリック薬品が発売されていない
比較的新しい部類に入る睡眠薬になります。
遷延性意識障害と呼ばれる意識不明患者を
覚醒させる作用がある可能性があるという事で話題となった薬です。
特長
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬と言われ
睡眠薬として使用するのには副作用となる
筋弛緩作用、抗不安作用が弱い薬物になります。
筋弛緩作用が強いとふらつき、転倒の原因になったりするので
高齢者などにもマイスリーは向いています。
睡眠の質への影響
マイスリー錠の睡眠の質への影響を
レム、ノンレム睡眠から見てみると下記のようになります。
睡眠レベル | 与える影響 |
---|---|
レム睡眠 | 影響なし |
ノンレム睡眠(ステージ1) | 影響なし |
ノンレム睡眠(ステージ2) | 影響なし |
ノンレム睡眠(ステージ3/徐波睡眠) | 増加 |
ノンレム睡眠(ステージ4/徐波睡眠) | 増加 |
上記表より、リラックス状態である
徐波睡眠(ノンレム睡眠のステージ3、4)を増やす作用がありすっきりと眠れる事ができる睡眠薬であるとわかります。
【参考】
一般的なベンゾジアゼピン系睡眠薬は深い睡眠を減少させ浅い睡眠を増加させる作用をもち眠る事は出来るが睡眠の質は悪化する事が多い。
*関連記事:ノンレム睡眠とレム睡眠って?
作用時間(効果持続時間)
睡眠導入剤として使用される為、また個人差がかなりある為明確な効果持続時間は不明となっています。
マイスリー | 詳細 |
---|---|
タイプ | 超短時間型 |
半減期 | 約2時間 |
作用発現時間 | 〜30分 |
効果持続時間 | 不明/ 時間程度の事が多いよう |
副作用
気になる副作用についてですがマイスリーは非ベンゾジアゼピン系という事もあり比較的副作用の発現は少ないのですが人によっては持ち越し効果があったりするようです。(添付文書上は持ち越し効果なし、反跳性不眠は見られない)
*関連記事:非BZ系はなぜ副作用が少ないの?
実際にマイスリーでも翌朝に眠気が残ったという方はいらっしゃいますし、添付文書上でのマイスリー錠の影響が翌朝以後に及び、眠気や集中力、反射運動能力などの低下が起こる事があるので注意が必要となっています。
また依存性、耐性に関しては下記のようになります。
マイスリー | 詳細 |
---|---|
依存性 | 不明 |
耐性 | 弱い |
また効果持続時間の短い睡眠薬に起こり易い副作用として一過性の「前向性健忘」が生じる事があります。
これは服用した後の出来事を忘れてしまって覚えていない事をいいますが常用量を超えての服用をしたりしなければそれほど心配のない副作用になります。
2017年3月に「連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること」という重要な基本的注意が追加されました。
またハルシオンほどではないかとは思いますがアルコールとの併用は避けるべきかと思います。添付文書でもアルコールとは併用注意となっています。
薬価
マイスリー錠の薬価は下記のようになります。
2016年4月実施の薬価改定について反映しました。
規格 | 薬価 |
---|---|
マイスリー錠5mg | 40.6円 |
マイスリー錠10mg | 65.0円 |
*次回の薬価改定はH30年4月になります。
注意点
マイスリー服用中は飲酒しない!
Dr指示の服用量を厳守する!
服用後はすぐに寝る!
途中で起きる予定がある場合は服用しない!
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